岩手医科大学医学部|整形外科講座

研修医・医学生
留学研修制度
当講座では学位修了者に対して、本人の希望により国内外へ留学が可能です。最近の留学実績はPittsburgh大学(米国)、Emory大学(米国)、Johnʼs-Hopkins大学(米国)、Heinoraリウマチセンター(フィンランド)、Mayo-Clinic(米国)等で、臨床・研究とも日本国内では得られない幅広い知識・技術を習得することができます。またより現実的な選択肢として国内留学の機会も積極的にサポートしていく予定です。
がん研報告:多田広志

2005年1月から3月までがん研有明病院で研修する機会を頂きました。目的は骨軟部腫瘍の治療の知識を得ることです。骨軟部の悪性腫瘍は若年者に発症する疾患も多く、四肢の機能を失う例も多いことから、適切に治療することが社会的に重要な意味を持ちます。しかし、発症頻度が稀であり、岩手医大で扱う症例数はそれほど多くありません。がん研有明病院は日本で一番の骨軟部腫瘍の治療実績を持ち、世界的にも最先端の治療を誇っている病院です。3ヶ月間という短い期間でしたが、岩手で年に数回あるかどうかという手術が毎週のように行われ、非常に充実した経験を積むことが出来ました。カンファレンスも頻回に行われ、勉強になりました。がん研有明病院には全国から研修のために若い医師が集まってきます。整形外科に限らず他の科でも若く優秀な医師たちが活躍しており、非常に刺激を受けました。また、がん研有明病院に限らず、東京の各大学の高名な先生方と知り合うことが出来たことも非常に大きな収穫の一つです。今まで学会で遠くから眺めていた先生方との距離が一気に近くなったことを、今後の活動に活かしていきたいと思っています。私は学生時代から岩手から離れることなく過ごしてきましたので、初めて外に出ることで様々な新しい視点を得たように感じています。岩手医大の良い点を改めて見直す機会にもなりました。私自身は様々な事情から短期間の研修となりましたが、また機会があればと思っています。若い先生方にも、整形外科研修、学位取得、専門医取得の次のステップとして一度外の空気を感じて欲しいと思います。

奈良医大留学:菅原敦

私は2014年10月から12月まで3か月間、奈良県立医科大学整形外科学講座へ国内留学して参りました。奈良県立医大は足外科が歴史的に盛んであり、関西地域からはもちろんのこと、遠くは東北や九州からも症例が集まるところです。
 
岩手にはこれまで足専門医がおらず、各ドクターが独自に手術を行うか、保存療法のみで治療をしてきた状況であり、手術希望の際は他地域に患者さんが赴いて治療を受けることが多いと聞いておりました。岩手県は非常に広く、沿岸の住民は他地域に行くとなってもまず盛岡に2時間かけて、そこから新幹線で・・・という感じで非常に他地域に行くのが困難な地理条件のため、患者さんの負担を考えると岩手で専門的治療を行うのが良いのは言うまでもありません。このような地域事情、医局の事情のため、この度私が行くこととなりました。
 
奈良県立医大は橿原(かしはら)市という鹿と大仏で有名な奈良市から南に約15kmほど離れた場所にあり、古くは平城京ができる前の藤原京(西暦694~710年)があった場所です。大和三山(畝傍山、耳成山、天香久山)に囲まれた藤原京の境内に大学病院は位置しております。
 
大学には田中康仁主任教授、熊井司教授、谷口晃講師をはじめ大学院生の先生方、留学生の先生方がおり一番の大所帯です。大学での1週間の流れは月曜日;手術、火曜日;検討会、総回診、水曜日;外来見学、木曜日;手術、金曜日;外勤でした。週2回の手術日ですが件数は1日3~4件あり、約6~7か月の手術順番待ちという感じであるそうです。3か月間で60件ほどの手術を見学でき、主に外反母趾、人工足関節、鏡視下手術(固定術、ATFL縫合など)などを見学してきました。
 
週末には比較的多くのお休みを頂けましたので、普段はなかなか行きずらい名所を散策に行きました。法隆寺、飛鳥寺、高野山金剛峯寺など奈良県内はもちろん、北は京都の天橋立、南は和歌山の潮岬、東は三重の伊勢神宮、西は香川の讃岐うどん。自家用車を持って行って正解でした。
 
1月から岩手医大での勤務に戻り、県内の各先生方から足の紹介頂き始めております。まだまだ素人同然の状態で教科書片手に仕事をしている状態ですが、各先生方の期待に応えられるよう勉強を重ねながら精進して参りたいと思います。特に、私自身以前から関節鏡手術を多く手掛けてきたこともあり、足関節鏡下手術は件数をどんどん増やして行きたいと思っております。スポーツ外傷(前距腓靱帯損傷、有痛性三角骨などの足関節後方インピンジメント症候群、footballer’s ankleなどの足関節前方インピンジメント症候群、軟骨損傷など)はお困りでしたらぜひご紹介ください。

米国留学記:田島吾郎
2007年から2008年まで約1年間、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ大学に留学する機会を得ました。目的はピッツバーグ大学整形外科主任教授のDr. Freddie Fuから、スポーツ医学、特に膝関節靭帯再建術の臨床を学び、その基礎研究を行う事です。
 
ピッツバーグ大学整形外科は、臨床部門はClinical Faculty (助教以上) 50名、Clinical Fellow 20名、Resident45名と日本とは比較にならない規模の診療科です。臨床部門は10程の専門分野に分かれていますが、さらに整形外科の基礎研究部門として10以上の研究室を有しており、研究部門のFacultyや研究者、テクニシャン、我々のような留学生を入れると、一体何人くらいの人間が大学で整形外科に関わって仕事をしているか見当もつきません。
 
私はResearch Fellowという立場でOrthopaedic Engineering and Sports Medicine Laboratoryというバイオメカニクスの研究室に所属しました。研究室の名前だけは立派で、6DOFロボットこそありましたが、実際は工学部の地下室で、研究用のキャダバー膝や肩、そして胴体などが冷凍庫にゴロゴロしていました。環境はかなり悪い研究室でしたが、皆、アグレッシブに日々研究に打ち込んでいました。
 
我々留学生のdutyは、早朝6時からのスポーツ医学部門のカンファランス、招待講演などを行う整形外科全体のグランドラウンド、そしてDr. Fu自らACLについて熱く語るACLミーティングと所属研究室のミーティング、計4つのミーティングへの参加と、週一回の手術への参加でした。日本にいた時と違い、直接、患者さんを診療する事はなかったので、仕事以外の時間を如何に使うかという事が問題になります。
 
私は単身赴任でしたので、研究以外、特に夜と週末はやることがありません。整形外科医ですので、やることがない時はとりあえず体を動かしました。毎朝アパートの周りをジョギングし、近所の怪しげなジムに通い、大学職員のスカッシュサークルやDr. Fu自らオーナーを務めるセミプロ自転車チーム「チームFreddie Fu」に入部し、現地のマラソン大会や自転車大会にも出場して、寂しさを紛らわすようにアグレッシブに運動していました。おかげで滞在中、体調は抜群に良好で、日本にいたときよりも遥かに健康的な生活を送っていました。
 
ピッツバーグでの留学生活は短い期間でしたが、本当に充実した時間でした。論文を通じてしか知らなかった様々な研究や手術が、実際にどのように行われているのかを目の当たりにし、それに参加することで、日本に帰ってから自信を持ち、積極的に仕事に打ち込めるようになったと思っています。勿論、楽しい事ばかりではなく、様々なピンチや辛い事もありましたが、他大学から来た日本人整形外科医や外国人の友人に助けられ、研究内容や仕事仲間にも恵まれ、幾つかの論文も書かせていただきました。
 
海外留学は環境を変えることで自分を変え、違う環境に適応させることで自分を成長させる絶好の機会です。土井田教授も若い医局員に積極的に留学する機会を与えるとお話されていました。医学生・研修医の皆さん、是非、岩手医大整形外科入局し、共に世界に目を向けた整形外科医を目指そうではありませんか。
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